1007 有楽町にてc
 インターナショナル・オーディオショーできら星のような機器を体験して、 でも、我が家の音の方がイイと感じた方は多いだろう。
でもそれは、仕方ないのだ。コンポーネントの宿命と言うか主が未定のただの機械であるし、諸々の制約(電源環境から始まって・・・)もある。
じゃぁ、それらの評価は無理かというと、そんなことはなくてブースに入った瞬間に分かってしまう部分もある。 毎年、O商事のブースで"A"を聴くのだが、どういうわけかいい音で鳴っている場面に出くわしたことがない(笑) 今年も、Iさんの講演のときにお邪魔したが、これがまあヒドイ音!フォースが斜めに当たって乱反射してるようなスカスカで実体感のないサウンド。
でも、そんな音でも潜在能力の凄さはちょっとだけ分かる。"A"の良さって、十分な引きを感じさせる空間性と遠くてもきちっとフォーカスする緻密性ではないかと思うのだが、ぜひそういう音を聴かせてほしい。
そもそも、このようなショーを体験したい大きな理由は、想像力の拡大だと思っている。その拡大された感性が自分のシステムのレベルを引き上げてくれれば嬉しい。しかし、このような会場では難しい。ほとんど不可能だろう。
ライドーアコースティックのマイケル・ボールセンさんは基本に忠実な理論&実践家だが、それでもスピーカーは楽器であると明言している。わたくし的には、バイクを乗りこなしたり、楽器を自在に演奏するのと同じと捉えている。ショーで最高の音があり得ない理由でもある。
という次第で、我が家も遅ればせながら並レベルのFレンジを獲得したので、同じ地平で現代の製品群を眺めることができるようになった。全部を回れたわけではないので、単なる印象だが、高プライスのスピーカーでも、低域の実在感に物足りなさを感じることが多い。低中域の放射能力や弾力・・・まあ、このあたりは使い手の気合い(意識と実行力という意味で)次第ということなのかどうか。
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