下のbackボタンで過去へ進みます。 幻聴日記第1期 INDEX はこちらから photo and Text: machinist |
|
029 桜を詠むのは難しい・・・ | 不思議な色だと思う。「そめいよしの」の花びら。ライトグレイに赤と青が微妙に入っている。職業的に分析すると、BL3%+M5%+C1%ってとこか。自己を主張するのではなく周囲の光を映す、むしろ滋味を感じさせる色合い。観察すると付け根付近はかなり濃厚な紅色で、これが花弁に溶け出すように浸食して、ほのかなグラデーションを形成する。風で花弁がゆれていて上手く接写できなっかたけれど、かすかに匂い立つような柔らかさを撮れたんじゃないかって。 それにしても、桜祭りのド・ピンクの提灯はなんとかならんものかねえ。 写真:新宿御苑にて (PENTAX*istD FA Macro 50mm F2.8) |
2004/04/02(画像変更) |
|
028 MILANO1979 V 時空の重さ | 第二次世界大戦末期、ドイツ空軍の爆撃で瓦礫と化したサンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会。その中で「最後の晩餐」の壁面だけが、無傷のままで天に向かって屹立していた事実は奇跡としか言いようがない。この残された壁を生かすべく建物が再生された。のちに壁画は、徹底的な復元作業によって、ダ・ヴィンチがたったいま描き上げたかのような極彩を取り戻しているけれど、500年の時空の重さを背負った「最後の晩餐」の最期に巡り会えたことは、われわれにとっての奇跡であった。そして、この記憶はいまも鮮明に心のなかにある。(おわり) (OLYMPUS OM-1, Zuiko35mmF2.8) |
2004/03/31 |
|
027 MILANO1979 IV 静止した時間 | 主とその使徒たちはひっそりと視界の中に佇んでいて、空間を共有しているのは我々二人だけだった。壁画の前には櫓が渡されており、調査中の遺跡といった風情ではあったけれど、むきだしの壁画がなにものにも遮られずに、眼前に存在していた。作業用の無骨なライティングのもと、どれだけの時間この場所に止まっていたか覚えていない。まったく音のない静止した時間のなかにいたことだけは確かだ。(つづく) (OLYMPUS OM-1, Zuiko35mmF2.8) |
2004/03/31 |
|
026 MILANO1979 III サンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会 | スカラ座の興奮さめやらぬ翌朝、雪は降りつづいていたけれど、われわれはサンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会へ向かった。レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を見るためだ。事前情報によると大規模な補修工事が始まるらしく、いちげんの観光客が入れるものかどうか不安を抱きながら、雪の降り積もった狭い舗道を歩き続けた。 ・・・しかし、いま考えても不思議な体験だった。並ぶ行列も、後に続く人影も見あたらないばかりか、係員の気配さえない。まるで導かれるかのように「最後の晩餐」を正面に配した部屋(元は修道士食堂)に入っていった。(つづく) (OLYMPUS OM-1, Zuiko35mmF2.8) |
2004/03/31 |
↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。
しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。 このページのすべての要素は製作者であるmachinistに著作権があります。複製使用等はご遠慮ください。 |