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photo and Text: machinist

213 My Favorite Cinema III
Julia「ジュリア-1977」 
東西冷戦下の緊迫した空気を描いたらジンネマンを越える表現者はいない。「ジャッカルの日-1973」はもちろんいいけれど「日曜日には鼠を殺せ-1964」はさらに素晴らしかった。「ジュリア」は時代の緊張感を湛えながらも、バネッサ・レッドグレイブとジェーン・フォンダが演じる女性像が別格的に素敵だ。原作者が女性だからか・・・。(PENTAX*istD FA35mm F2AL)
2004/11/27



212 My Favorite Cinema II
Wrong Move「まわり道-1974」
ヴェンダースの「パリ・テキサス」は公開当時、ライ・クーダーのサウンドの触感とあいまって好きな作品だった。最近見直してみたら、家庭を捨てた中年男の身勝手さだけが目について、かっこ悪!と思ってしまった。初期の「まわり道」はロードムービーのシンプルで平坦な組立てが些細な出来事にライブ感を与えている。ナスターシャ・キンスキーが聾唖の少女役で出演していて、目の演技がすでにその魔性を顕わにしている。
「デッドマン-1995 ジム・ジャームッシュ」はニール・ヤングのギターを全編にちりばめたウエスタン版ロードムービー。モノクロームの画面が不思議な事象を巧みに伝えている。撮影はロビー・ミューラーで個人的には大嫌いな「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を撮った人、自然なのになぜかユニークな視線が好きだ。(PENTAX*istD FA135mm F2.8/IF)
2004/11/27



211 My Favorite Cinema I
The Sacrifice「サクリファイス-1986」
西側に亡命したタルコフスキーが最後に手掛けた作品。日常が徐々に蝕まれ世界が破滅に近づいていくという重いメッセージなのだが、最後まで飽きさせないテンションと澱のように沈殿する重層的な質感にただ見入ってしまう。この作品は2、3回見ただけでは、その雰囲気に呑まれるだけで核心には到達できそうにない。
英国のマルチアーティスト、フィリップ・リドリーの初長編作品であるThe Refecting Skin(柔らかい殻-1990年)は鮮烈でしかも分かりやすいけれど、具象的な事実を重ねながら見えない大きなものを伝えている。一面に拡がる黄金色のトウモロコシ畑と青い空。少年の目を通した尋常ならざる人間の生業と儚さ。その映像の浸透力はずば抜けていると思う。ここにマイナスの輝きを重ねると、「サクリファイス」と同質の自然観が見える、といったら言い過ぎか。(PENTAX*istD FA135mm F2.8/IF)
2004/11/27



210
秋号の最終クール(211-216)はシネマの話。感動した映画に拮抗する写真なんて撮れるわけはないし、いつもの日常の写真とどう組み合わせればいいのか。きっと悲惨なものになると思う・・・準備中です。(PENTAX*istD FA35mm F2AL)
2004/11/22






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↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。
しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。
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