1222 クラウディオ・アラウ J.S.BACH / Partitas No.5 Sarabande
 クラウディオ・アラウが最晩年に録音したバッハのパルティータ。 ソリストの表現として最高レベルの境地と思う。 3番のファンタジアを繰り返し聴いているが、 下記の布陣で聴く5番「サラバンド」の言いようのない寂寥感はなんだろう。 アラウのピアノに暗さはない。 しかし、その演奏を通して見えてくるのは、 煉獄のグレイの闇に歩を進める孤高の人間の後ろ姿だ。 音の集積のなかに潜んでいるさまざまな想い。
・・・やはりオーディオはやめられない。
AC DESIGN WTC-1/III という10年ちかく経過したインターコネクトケーブル。SACDの器に対処すべく導入した。しかし、グランドピアノの響きをこれほど克明に描くとは! 緩やかなほぐれ具合とウオームで仄かな色彩感を備えながら、音楽の起伏を完璧にトレースする追随性。しかも最新の高解像ケーブルのような過度な緊張感がないのが嬉しい。すぐ下で、単体コンポーネントの評価は無意味なんて言っておきながら、まことに申し訳ない今日の日記。 |