1401 和魂洋才?
 「ウナ・セラ・ディ東京」のオリジナルはザ・ピーナッツだが、ミルバが来日した折り、日本のアレンジャーと楽団でこの曲を録音して脚光を浴びた。1964年、彼女が25歳のときだが、堂々とした歌唱力と格調ある日本語表現はいま聴いても圧倒される。
そのザ・ピーナッツが同じ年にドイツで録音したレコードが「Souvenirs Aus Tokio」。ドイツ語で歌っているが、真面目すぎて楽しさに欠ける。デビュー曲の「可愛い花」に勝るものはないと個人的には思う。
それから40数年・・・ 由紀さおりのアルバム「1969」である。63歳の声とは思えない妖艶さ。欧米で人気の訳はどこにあるのだろう? こういう発声というものは世界的に日本の歌謡曲だけの特例かもしれなく、そこが評価されたとすればとても嬉しい。「パフ」の低い音階に驚き、「イズ・ザット・オール・ゼア・イズ?」のアンニュイなドラマ表現からは、あと20年現役で歌って欲しいと心底思った。残念なのは録音クオリティ。バラツキがあって、SクラスのリアリティからB-の埃っぽさまで幅がある。 |