794 ビリー・ホリデイ、遠くをみる眼差し
 UAの"cure jazz"を毎晩聴いている。そのなかにビリー・ホリデイの名唄で知られる「I'll be seeing you」が入っている。いままでの彼女と違うひたむきさが潜んでいてかなりの聴きものだ。基音にこれだけの色彩を織り込める歌手は他にいないだろう。日本には、ね。ただ惜しむらくはビーリーの声を研究しすぎた(笑) 品(しな)は作れても、品(ひん)を育むことは至難だ。ニュアンスをトレースしているから、そうなるんだと思う。ビリーの歌には、はるか彼方を望むような気品がある。 ・ というわけで、カサンドラ・ウイルソンの「奇妙な果実」を聴いた。"新月の娘"というアルバムの一曲目。超カッコいいイントロの次に来る声の深さにノックアウト。Deeeeeeeeeeeeep........ それでも、ビリーにあってカサンドラに無いものが気になった。それは、儚さ・・・たったかもしれない。 |