842 力の在処 アナログvsデジタルから
 土曜日にミニオフを行った。今回集まっていただいた方々は偶然にもアナログ使いの達人ばかりで、以前だったらこういうシチュエーションではLPは遠慮するところだ(笑) それなのに延々9時間ちかくお皿を回し続け、いまさらながらアナログディスクとCDの音の違いを感じた。優劣をつけたいわけではないし、ある意味で不毛な比較には違いない。ただ、根元的な、いわばエネルギーの在処に由来するものと思ったのだ。クオリティとかバランスとかの問題ではない。
その1:低域は圧倒的にCDが優れている。500万円クラスのアナログプレイヤーを巧く使いこなせばどうなるか、経験がないので分からないが、一般クラスで言えばエネルギーの持続感はCDにアドバンテージがある。
その2:S/Nとダイナミックレンジ感(←感、というところがミソだ)はアナログの方が優秀だと思う。へんな言い方だけど、音量とエネルギーが比例、調和するのがアナログの長所かもしれない。デジタルは基本的に同じ力感(テンション)のなかで音圧だけが変化する気がする。そりゃ、500万円クラスのCDプレイヤーを巧く使いこなせばどうなるか。逆転するかもしれない。
その3:粒状感。これは一長一短でアナログの粒子は丸くてサイズが様々。エッジはシャープ。CDはしいて言うと敷き詰めた四角いタイルを均等にぼかしたような滑らかさ。小音量ではCDの方がエネルギーのある分、有利かもしれないが、大音量域では作為感が付きまとう。
一般的なDAコンバータのアナログ変換では、瞬間(点)の電流値をコンデンサで掃印して次のポイントまで持続させる。これがエネルギーの源で、電源がしっかりしていれば外乱は少ない。対してアナログディスクでは、ターンテーブルの回転力といういわば直流エネルギーから、機械的な弾性(中点に戻る力)を介して交流エネルギーを取りだしている。これは微小レベルになるほど外乱の影響を受ける。ただ、これが悪いことと単純に言えない面もある。このあたりにデジタルとアナログの差がでるような気がしているのだが・・・いやぁ、週明け早々屁理屈っぽい話しをしてしまった。異論反論大歓迎(笑)
写真:箱根ラリック美術館にて。展示ケースが展示ケースに入っていた。 |