次ページTOPページ前ページ
2007/08/01
869 道の向こう側 d




2007/08/01
868 道の向こう側 e




2007/08/01
867 道の向こう側 f

↓ピクセル等倍で切り出した画像
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/3a/be0cc3c056b4ae7a7f89d5cbd97b71e8.jpg
この100mmマクロレンズは中遠距離でも優秀な描写能力を持っていると思う。
ちなみにMTFチャートはこれ。F8(青線)の凄さといったら!
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/1e/791efcaf411e8c2513d948536b33ed47.png



2007/08/01
866 道の向こう側 g




2007/07/31
865 記事削除のお知らせ

たいへん残念で不本意ではありますが、No.863とNo.864の記事を削除いたします。理由は文中の当事者であるG氏から「小生のプライベートな場所での一部の言動が、貴WEBサイトに掲載されることは、私の本意ではありません。」という書き込みがBBSにあったからです。文中の一部に関して当方に事実誤認があったことと、No.63の後半でご本人を揶揄したと取られかねない表現があったため、総合的判断で削除いたしました。事実誤認に関しては、当方の文脈を覆すものではないのですが、G氏とご覧いただいている皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫びいたします。



2007/07/26
862 300,000アクセス直前記念 続・ちあきなおみ概論

瞬間転位する視点・・・ちあきなおみにおける表現のパースペクティブ

「酒場川」は日本コロムビア時代のほとんど最後にリリースした曲で、B面にはあの「矢切りの渡し」が入っていた。当時、彼女は演歌を歌うことを嫌がったという逸話が残っているが、石本美由起によるこの詞は、もうドロドロの救いようのない世界だ。ちなみに作曲は船村徹である。

♪あなたの憎くさと いとしさが
 からだのなかを 流れます
 子犬のように 捨てられた
 女の恋の みじめさを
 酒と泣きたい 酒場川

♪男のこころも 読めないで
 おぼれるだけの 恋でした
 死ぬより辛い 裏切りを
 怨んでみても 無駄なのね
 涙こぼれる 酒場川

♪私と暮らした アパートで
 あなたは誰と いるのでしょう
 グラスの酒に 酔いしれて
 心の傷を 洗いたい
 ネオン悲しい 酒場川


「矢切りの渡し」ほどコトバと地の対比は明確ではないが、それだけに連綿とした表現の遠近感をちあきの歌唱はあきらかにしている。すなわち、各番のアタマから4行目までが主人公の叙情(クドキ)であり、最後の5行目は状況を客体視した地の部分だ。この歌い方の対比が見事で、宮園節的閉塞表現が5行目で一気に状況俯瞰モードに転換する。さらに、番を追うごとに視点を遠方に移動させている。3番に至っては成層圏を遙かに越えて、銀河の辺境から市井の営みを見守る眼差しだ。

♪ネオン悲しい 酒場川・・・このあたり豊竹山城少掾の「合邦」の段切れ "広大無辺、継母の愛・・・" に並ぶものといったら言い過ぎか。ドロドロの救いようのない歌詞が緻密に設計されたフレームに収められることで、そして最後のワンフレーズをもって作品として見事に成立したと考えるわけだが・・・



2007/07/23
861 試行錯誤・・・

それぞれのオーディオ機器がもつテイスト(風合い)は、それがどのレベルで裁定されたものか慎重に判断する必要がある。他を同条件にして、ぽっと置きで聴き比べればそれぞれの違いは出る。オーディオ雑誌の評価記事の最重要な部分であることに異存はないけれど、それらのテイストは使いこなす上でどれほどの意味があるのか。個人的にはそれら表層の違いより、どれだけ変化できるポテンシャルを持っているかに価値があると思っている。

プログラムソースという前提があって、さまざな機器が串刺し状に関わりスピーカーが部屋の空気を揺らして音楽が甦る。音は加算混合ではなく減算混合にちかい振る舞いをするようだ。途中段階に卓越した能力を持たせたところで、総合的には最低ラインに近いところへ収斂するという意味で。

と、例によって理屈っぽい話しで始めてしまったが、ESOTERICのX-30VUである。なにゆえ、シルバー仕上げでこんなガチガチの機械に魅せられたかというと、その凝縮した密度感そのものなのだ。しかし最終的にそのような音を出したいわけではないというところがオーディオコンポーネントの面白さだ。むしろ解き放たれ、空間に浮遊するイメージで追い込んでいきたい。硬さと柔らかさ、重さと軽さ、辛さと甘さ、といった表現のダイナミクスは対極にあるようで、じつは入り乱れ繋がっている。経験上、似たテイストのコンポーネンツを重ねれば、求めるポジションに持っていきやすいが、上記のダイナミクスの幅は得にくくなると考えている。

機械的なセッティングをひとまず切り上げて、ケーブル対策に取りかかった。うまく説明できないが電源ケーブルは音の風合いとエネルギーバランスを支配するように思える。F的スペクトラムは他でも対処できるので質感を優先して、アクロテック6Nの1.5mを選んだ。これは導体が比較的細いせいか、低域がやや薄く高域端にキャラが乗りやすいが、極薄ラッカー仕上げのようなダイレクト感がX-30VUのタイトな色艶を消さないのがいい。対してインターコネクトケーブルは解像感に作用する部分が大きいと感じている。(どこかの掲示板で、音は面積がないから解像度という尺度はナンセンス、という記述を見たが、大いに異論がある。これに関しては後日、思うところを書いてみたい)

ラインケーブルは導体を通る電圧や電流値でさまざまな傾向をみせるから、単純にそのテイストを語ることはできない。CDP→プリアンプとプリ→パワー間では後者が圧倒的にレベルが低く、よりローレベルの精度が要求される。対して前者はボリュームを絞るというプロセスがなく、信号レベルが高いから楽かというとそうでもない。純度が高いゆえにより影響を受けるということかもしれない。

ケーブルがまったくニュートラルでなんの影響も受けないということは物理的に不可能だ。たいていはシャープネスの輪郭強調気味からガウスの暈かし方向までグラデーションをもっている。さらに響きを助長するものとダンプ傾向に持っていくものがあって、これらのキャラクターはあとで修正できないから難しい選択を迫られる。わが家の現状では、オーディオクラフト社初期の二芯シールドTW150で辛うじてバランスを取っているから、調整途中段階ということがすでにバレている(笑)



2007/07/20
860 16年ぶりのCDP

つい先日、16年間愛用したフィリップスLHH300Bに別れを告げた。1bitながら濃厚芳醇な香りを放つ逸品で、当時使用していたREVOXやアキュフェーズを蹴落として長らく正妻の座に君臨していた。当時はロジャースのLS3/5Aを鳴らしていて、その後フィリップスのフルレンジAD9710Mプレーンバッフルを経由して、現在のALTECシステムに至るまで、ずっとこのLHHが源にあったわけだ。

最近になって、もう少しソリッドな立ち方をCDPにも求めたくなった。これはSPの耐震補強と大いに関連していて、毒を食らわば皿までもという性格に傾きつつある自分がちょっと怖い(笑)

後継はSONY MDP999のつもりでいたのだが、やや一本調子なニュアンスに我慢ならなくなった。No.56のりゅりゅさんのレポートのたぶん15%くらいはこのCDPの能力&キャラが影響していると思う。

新たな導入機は、ESOTERIC最後のCD専用機 X-30VUである。これはTEAC VRDS-50のESOTERICバージョンで、さらにクロックを高精度タイプに載せ換えた限定モデルだ。ショップの説明ではバージョンアップ機ではなく正規出荷品とのことだ。

しかし、スピーカーの剛性を高めたことを発端に、非常に険しい道に迷い込んでしまったようだ。山道で迷ったくせに、沢沿いを行かないでまた山を越えるような愚挙だな、こりゃ(笑)

で肝心の音は・・・ 当初、ラックの最下段にベタ置きしたときは面食らった。ドライで凝縮傾向。空間の見通しが悪く、音に絶えず下向きのベクトルが加わっているように感じる。軽さや隙間の表現がまったくダメだ。電源やコネクトケーブルでバランスや質感が激変するし、リジットな作りのせいか、接地面の素材のキャラも明確に出る。試しに受け皿の下に薄い防振ゴムを挟んだら、さらに・・・驚異的にバランスを崩した。このあたりはアナログプレイヤーのセッティングと同等のスキルを求められるようだ。24kgの本体は3本のスパイクと予めセットされたプレートで支えられるが、スパイクはいいとしても金属の受け皿はアナログの経験からして懐疑的だ。3点接地はガタは出ないがシャープ方向に振られる傾向がある。メーカーとしてはその方向を狙った音づくりかもしれないが、うちではニュートラリティが最優先。さらに叶うならばソースの中の微妙なグラデーションや気配までもきっちり出したい。

総合点でMDP999に負けるようでは話しにならんのでこの一週間、置き方の試行錯誤をした。180kgの重量が掛かっているラック底板+1ミリ厚のエラストマーシート+21ミリMDFで、本体はこのMDFに直置き。インシュレーターはオリジナルのまま。これでなんとか一応のレベルに届いた(たぶん)。しかし、当面の課題は多く、理想レベルまでは時間がかかりそうだが、可能性がないわけではない。X-30VUの特質と思われる、垂直に立ち上がるかのような俊敏性やテンションを失わない余韻、これらをナチュラルなバランスや質感のなかに活かせれば、いま以上にダイレクトな音楽体験をもたらすはず、と楽しみにしているわけだが・・・。

写真:ボードはサンバースト仕上げを気取ったわけではなく、裏側を使用せざるを得なかっただけ。塗装を施しただけで音質が鈍ってしまった。




次ページTOPページ前ページ