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photo and Text: machinist

016 いま「ウォークマンの修辞学」を読む
ラブ・サイケデリコ(LOVE PSYCHEDELICO)が好きだ。Kumiさんの飾らないストレートアヘッドな声、古きロックンロールのエッセンスをまぎれ込ませたシンプル&ドライのバンドサウンド。素直にかっこいいと思う。でもオーディオ的に観察すると彼らのCDの音質はプアだ。というか今のJ-POPの録音はみんな似たようなものだけど・・・じつは伏線があってそれは25年前のはなしだ。
1979年、SONYウォークマン発売。その2年後の「ウォークマンの修辞学」細川周平著(朝日出版社1981)的確で予見的な記述はいま読んでも新鮮。ウォークマンが音楽と聴き手の関係を大きく変えたと。
しかし、ヘッドフォンステレオは「聴かれ方」だけではなく、後年の音楽の作り方にも大きな影響をおよぼしたように思う。都市の喧噪が音楽のノイズフロアになり、より明快な輪郭を送り手に要求した。階調よりパルシブな破壊力が尊重され、音楽はON-OFFの符号列のように聞こえはじめた・・・と言うといかにも年寄りじみているよねえ(笑)。
で、その後のコンパクトディスクの誕生、圧縮フォーマットの台頭、という時系列は今もって興味深い。
(PENTAX*istD FA Macro 50mm F2.8)
2004/03/19



015 アナログマスター、デジタルリマスタリング II
フィルムの銀粒子は、一粒づつ解像できるわけではなく、周囲の粒子を「道連れ」というか相互に影響を与えあいながら反応する。ポジをチェックすると最暗部、最明部とも潰れているような、いないような。階調のある粒子が存在していると感じるその実体はノイズなのか。002でふれた「関連付け」に考えが行きつく。この750×500ピクセルの画像でどれだけ伝えることができるか自信はないけれど、湿気を帯びた空気の匂いがたしかに伝わって来るような気がした。
2004/03/18



014 アナログマスター、デジタルリマスタリング I
一部のニコンユーザーに「神のレンズ」と言わしめたAi180mmF2.8ED。これが手元にあったのは2週間ほど。描写能力に感嘆しながらも、この画角と重量は手持ち撮影では使いこなせないと悟ったから。この写真はこのレンズによる数少ないショットのうちの1枚で、ボディF3hp、フィルムFUJIプロビア400によるもの。もちろんポジフィルムをスキャニングした時点でデジタル画像ではあるのだけれど、フィルムの表現はなにかが違う。なんなのだろう。
2004/03/18



013 機械変換系の対称性ということ
ターンテーブルの回転力がスタイラスを揺らす。連動するコイルやマグネットが発電することで、ディスクの溝から音楽信号をとりだしている。何段階かの電気的増幅を経て、スピーカーマグネットの磁界に置かれたコイルが動き、コーンが空気を揺らし音を再生させる。ターンテーブルの回転もスピーカーの磁界も、直流バイアスのエネルギー源、などと考えつつ、再生システムはアンプを中心に置いた機械変換の対称で成立していることに気づいた。
デジタルオーディオは・・・再生の枠をこえて収音から再生にいたる大きな系、すなわち伝送・増幅系の両端に機械変換であるマイクロフォンとスピーカーを置いた、きわめてシンプルな対称系。だからとても音が良い・・・といわれる日は近いのだろうか。
(PENTAX*istD smcA 50mm F1.4)
2004/03/17






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↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。
しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。
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