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photo and Text: machinist

020 機・械・愛・・・PRIMO-JR
はじめて使ったカメラがこれだったらカッコいいけれど、じつは母が使っていた。東京光学(トプコン)のプリモJRという二眼レフ。半世紀近い歳月を経て、いまここにある。この写真では判りにくいが、幅6センチ高さ12センチ弱のキュートなボディはいま眺めても魅力的。ベスト判と呼ばれる1コマが40×40ミリで写るロールフィルムを装着する。プログラム露出を容易にアレンジする、シャッターダイヤル連動のEV値的プリセットが面白い。
で、ほぼ同じ時期に「コニカ・スナップ」というレンズシャッター式35ミリカメラを親に買ってもらった。マイ・ファースト・カメラだ。フィルムチャージが2回巻き上げ式で、ちょっとダサイなぁと思ったものだ。・・・LEICAの傑作M3の初期型が2回巻き上げだと知っていれば、逆の思いだったのに(笑)。
(PENTAX*istD FA Macro 50mm F2.8)
2004/03/25



019 真夜中の女歌手 BARBARA III
1958-64年の間、バルバラはレクリューズというセーヌ左岸のキャバレーで歌っていた。59年、まだ無名に近かったころのライブ録音がフランスEMIから「barbara La chanteuse de minuit」というタイトルでCD化されている。「わたし自身のシャンソン」でその存在を世界的に認知されるのが65年。ということは、このレクリューズの客に聴かせることで自身の音楽を育んだといえるかもしれない。レクリューズでの彼女の出番は深夜の12時と決まっていたそうで、それが「真夜中の女歌手」と呼ばれる所以だ。
全曲自作でピアノ弾き唄い。歌も後年に聴かれる表現のダイナミズムを予感させるし、自身のピアノも歌と拮抗するパワーを秘めている。このCD、惜しむらくは観客のまばらな拍手を消し去っていること。この時ここに居た、いま思えば「夢の体験」をした数少ない聴き手の気配も、実は感じたかった。
写真:稲毛CANDYにて (PENTAX*istD smcA 50mm F1.4)
2004/03/24



018 真夜中の女歌手 BARBARA II
元競馬場だったスペースに設けられた特設ステージ、数千人の観客の前で行われた1981年のパンタンライブ。中央にバルバラと自身が弾くピアノ、あとはマルチキーボードプレイヤーとパーカッショニストがいるだけのシンプルな舞台だ。バルバラの声は若き日の透明感、静寂感から少し後退し、ときに高音域は声帯の限界を垣間みせる。しかし聴き込んでいくと、そんなことは些細な現象に思えてきて、ただ一人のアーティストの真摯で強烈な放射力の虜になっている。
歌は、言葉と音がすべてだと思っていたけれど、それは間違いとLDの映像が教えてくれた。表現が限界に近づいているときの唇や頬や眼差しのテンション、最後のフレーズが終わるときの身体動作、すべてが連鎖して大きな表現行為になっている。このときバルバラは51才。自身を徹底的に追い込む姿勢に形容する言葉が見つからない。得難い瞬間があの場所に存在し、こうして記録として残っていることに感謝・・・。
(PENTAX*istD FA ZOOM 28-105mm F4.0-5.6IF)
2004/03/23



017 真夜中の女歌手 BARBARA I
放浪の末の、いまは死の床にいる男(じつは実父)があなたに逢いたがっている、という手紙で始まる「ナントに雨が降る」。バルバラ自作のこのうたは、たとえ歌詞がわからなくても、音楽の力が静謐の衣に包まれた彼女の心象を伝えてくる。歌は、言葉を旋律に乗せているだけじゃない、ということを改めて実感する。バルバラはレクリューズ時代に「dis,quand reviendras-tu?」というアルバムに吹き込んで以来、ACCディスク大賞の「私自身のシャンソン」や多くのコンサートで、この曲を繰りかえし記録した。とくに81年のパンタンライブの迫真のパフォーマンスは、人生の深淵で「慈しみ」の結晶を抽出したかのような光彩を放っている。
ちあきなおみの名唱「喝采」は、この「ナントに雨が降る」を下敷きに作られたと思う。似ているかどうかといった下界のはなしではなく・・・。
(PENTAX*istD FA ZOOM 28-105mm F4.0-5.6IF)
2004/03/22






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↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。
しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。
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