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photo and Text: machinist

061 演歌、もう古典芸能でいいではないか。
きのう、ネタが尽きそうって書いたら「大変なんだねえ、でも続けてくれろ」というありがたい感想をたくさん戴いた。過去ログhtml化はアッという間に終わったので(画面右上から入れます)日記を続けます(笑)。

ジャズもクラシックも聴くけど、演歌だけは勘弁という人は多い。類型的な旋律と手垢にまみれた、そのくせあり得ないようなシチュエーションを歌っているのだからヘンだよね(笑)。ちかごろの演歌、とくに歌詞は悲惨な状況だ。長山洋子の「じょんから女節」はいい曲調だし、唄い込みも見事なもんだけど、最後が「♪あなたが欲しい〜」じゃーそれで終わり、気持ちが広がらない。あらたに演歌をつくる必然性って、いち早く覚えて自慢したいカラオケマニアのほかに何があるんだろう。
電気吹き込みの始まった昭和3年から昭和の終わりまで、あるいは20世紀終了まで広げてもいいけれど、我々が聴いたり歌ったりするのに、十分な楽曲が残されている。これらの表現を極めるという行き方はこれからでも価値があると思う。例えば古賀政男の最高傑作「無法松の一生」。この唄に備わる包容力を十全に表現した例を聴いたことがない。
写真:解体寸前のコタニビル、かつて新宿で最大のレコードショップだった。(PENTAX*istD FA ZOOM 28-105mm F4.0-5.6IF)
2004/05/08



060 代数と幾何、あるいは離散と連続。大橋力の世界観
「音と文明------音の環境学ことはじめ」(岩波書店刊)は、音の分野に限定されない広大な洞察力に圧倒される。著者の大橋氏は、情報や生体、環境を横断する学際的な研究者で、あの芸能山城組の主宰者山城祥二氏でもあるのは御存知のとおり。600ページの本文は、音楽制作の現場体験をはじめとして、知覚・意識の生体学的論考から数学、物理、音楽の各テリトリーを縦横無人に駆けめぐる大橋ワールド。非言語←→言語、幾何(量)←→代数(数値)といったようなアナログ、デジタルの両翼から、記号化で失なわれるものの重要性をくり返し述べているのが興味深い。これは、お買い物ガイドのはるか先に位置するオーディオ評論でもある。
写真:工事中の都立新宿高校とDoCoMoアンテナビル(PENTAX*istD FA ZOOM 28-105mm F4.0-5.6IF)

60回を期に過去ログをHTML化しました。
2004/05/07



059 伝統音楽における低音問題を考える。
幼いときから西洋音楽に馴染んでいる現代日本人が、日本の伝統音楽にふれたとき「なんて甲高い音楽なんだ!」と感じるのは普通のセンスだと思う。歌舞伎で使われる音楽は長唄、豊後系浄瑠璃、義太夫が主なものだけど、大太鼓などがパルス的が使われることはあっても、西洋音楽にあるようなファンダメンタル(基底音)として仕組まれたものではない。日本が地震国であるということと関係ありそうだけど、「低音」は神の世界や自然界に属する「恐れおおい」ものなんだね。先の大太鼓の例でも、使われるシチュエーションは、天変地異であるとか、なにか巨大な存在の顕現であるとかだ。ちなみに写真の大国魂神社の巨大太鼓も、神輿を先導する悪魔払いがその役目だ。
(PENTAX*istD FA ZOOM 28-105mm F4.0-5.6IF)
2004/05/06



058 ウルトラソニックナチュラルドラゴン
名付けて「機竜」。かの長岡鉄男氏の「ネッシー」を強化・モデファイしたR邸のオリジナルスピーカシステムだ。エンクロージャーは鋼鉄の鎧をまとった@180Kgという壮絶なもので、支えるフロアは地球から生えたコンクリート。そのサウンドは、途方もない質量の粒子が光速でやって来るかのような衝撃に満ちている。なのにヴォーカルは人間のぬくもりさえ伝える表現のダイナミクス。
長岡氏を教祖と崇める、そっくりさんは多いけれど、R氏も製作者のA氏も、そうではなく求めるサウンドがこのカタチに結実したというところに惹かれる。流儀の異なる、わたくしにさえ魅力的なワン・アンド・オンリーの音世界。じつはちょいとばかり影響を受けはじめている。アブナイアブナイ・・・
(PENTAX*istD FA ZOOM 20-35mm F4AL)
2004/05/05






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↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。
しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。
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