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photo and Text: machinist

215 My Favorite Cinema V
Goodbye, Children「さよなら子供たち-1987」
ナチスによる迫害という重い背景にもかかわらず、いっさいの輪郭強調を排除した演技と映像でルイ・マルが自身の少年時代を綴っている。山の中で、黄昏から闇に至る時間を共有する少年2人の動静。このデリケートで儚い映像はまさに映画でしか表し得ない美。終盤、ナチに連れ去られる友人が主人公にそそぐ視線が哀しい。
映画美といえば「イル・ポスティーノ-1995 マイケル・ラドフォード」の寡黙な、しかし匂い立つような光彩も忘れられない。ドラマは盛り上げようとすればするほど、その作為を隠せないということの反証明。ちなみに今オンエアー中のポカリスエットのCMは「イル・ポスティーノ」の表面だけなぞったパクリじゃないだろうか。(NIKON F3hp AF Nikkor18-35mm)
2004/11/27



214 My Favorite Cinema IV
The Fabulous Baker Boys「恋のゆくえ-1989」
売れないピアノデュオブラザーズが女性ヴォーカリストを入れてちょっと脚光を浴び、その後いろいろあってヴォーカリストは去っていく。幕切れのほろ苦さが心地よい大人のシネマだ。音楽はディブ・グルーシン。仕事の方向性で兄と衝突した弟が酒場でやけ気味に弾くピアノソロは、青い炎のようなパッションを放っていて、この時代のグルーシンの心情につながる気がした。監督のスティーブ・クローブスはその後「ハリー・ポッター」シリーズの脚本なんかを手掛けているけれど・・・(PENTAX*istD FA135mm F2.8/IF)
2004/11/27



213 My Favorite Cinema III
Julia「ジュリア-1977」 
東西冷戦下の緊迫した空気を描いたらジンネマンを越える表現者はいない。「ジャッカルの日-1973」はもちろんいいけれど「日曜日には鼠を殺せ-1964」はさらに素晴らしかった。「ジュリア」は時代の緊張感を湛えながらも、バネッサ・レッドグレイブとジェーン・フォンダが演じる女性像が別格的に素敵だ。原作者が女性だからか・・・。(PENTAX*istD FA35mm F2AL)
2004/11/27



212 My Favorite Cinema II
Wrong Move「まわり道-1974」
ヴェンダースの「パリ・テキサス」は公開当時、ライ・クーダーのサウンドの触感とあいまって好きな作品だった。最近見直してみたら、家庭を捨てた中年男の身勝手さだけが目について、かっこ悪!と思ってしまった。初期の「まわり道」はロードムービーのシンプルで平坦な組立てが些細な出来事にライブ感を与えている。ナスターシャ・キンスキーが聾唖の少女役で出演していて、目の演技がすでにその魔性を顕わにしている。
「デッドマン-1995 ジム・ジャームッシュ」はニール・ヤングのギターを全編にちりばめたウエスタン版ロードムービー。モノクロームの画面が不思議な事象を巧みに伝えている。撮影はロビー・ミューラーで個人的には大嫌いな「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を撮った人、自然なのになぜかユニークな視線が好きだ。(PENTAX*istD FA135mm F2.8/IF)
2004/11/27






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↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。
しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。
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