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2008/07/08
983「オーディオの科学」というサイト

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm

オーディオ関連の個人サイトとしてはかなり有名どころで、秩序立てた冷静な見解に好感が持てます、と言いたいところだが、なぜか違和感を覚えた。その理由を探るべくほぼ全ページを読むはめになったが、それは置いておいて・・・

二重盲検法
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/abx.htm

先入観を排した評価という意味でブラインドテストの有効性はあると思う。
が、しかし、この種のテストはことオーディオ機器に対しては疑問がある。

オーディオ評価の意義は「機器を介した音楽体験」の質を問うことであり、それは、機器同士の差異をピックアップすることとは似て非なるものだ。

この二重盲検法による評価というものは"違いを見つけること"で個体Aと個体Bを識別をするという行為だ。その違いはごく短いスパンの時間展開の中で決定されるわけで、それは音楽表現を受け止める人間の感性からはかなりかけ離れた行為といえるだろう。

音楽は時間表現だから、聴き手の意識は表現者の時間進行に同期しつつ揺らいでいると考えられる。スリットの隙間から覗くのではなく、聴き手もアクティブな姿勢にあるということを忘れてはいけない。

音楽がどう聴こえるか(感じるか)には想像以上に時間の幅が必要であって、それは瞬間から数秒で足りる場合もあれば曲全体の時間経過が必要なケースもあり得る。短時間の個別評価は音楽表現のコアともいうべき発信者と受信者の交流部分を切り捨てる危険を孕んでいる。

このサイトの主宰者は、ケーブルの影響力に関して随所で過小評価をなさっていて、それは上記のような評価法によるというか、固有の音楽の聴き方に由来するのではと考えられる。

とはいえ、一貫した姿勢に根ざした充実したコンテンツに敬意を表することはあっても、このサイトの当事者の考えを非難するつもりは一切ない。わたくしと考えが違うというだけの話し。くれぐれも誤解なきよう。以前ここで取り上げた小寺信良氏のコラムとは次元が違う。

いや、本当に言いたいのは

官能&印象批評で一家を成したステレオサウンド誌あたりが、きちんとした執筆者を立てて見解を述べるべきと個人的には考えるが・・・



2008/07/02
982 <at>sense 久しぶりの更新

オーディオ&音楽サイト<at>sense ですが
菅野さん、山口さんの訪問記に早瀬さんと和田さんを加えて
特別編集版としてアップしました。
写真は幻聴日記とサイズが異なるのでリメイクしています。
http://www.vvvvv.net/sense/



2008/06/30
981 コルトレーン「ワイズワン」

オルトフォン2M Bronzeがトレースしているのは、インパルス盤「クレッセント」A面2曲目。この至高のバラード、堂々と毅然としてクールな佇まいのなかに揺らぐ息吹まで忍ばせていて、個人的にはコルトレーンのベストパフォーマンスと思っている。

オルトフォン2M Bronze、思ったとおり"Kontrapunkt a"と似たテイストだ。較べると重心がほんの少し上にずれるように感じたが、精緻に音溝をトレースする様は同等。ムービングマグネット型ピックアップがこれほど進化していたとは知らなかった。内声部の混濁感も高域のヘタリ感も遠い昔なのか。コルトレーンのリードの響きの中心核にきっちりピントが合い、周囲に拡散・浸透するフォースが目に見えるようだ。



2008/06/28
980 30年ぶりのMMカートリッジ

最後に求めたMMカートリッジは何だっただろう。記憶が薄れているがピッカリングのXSV-3000だったかもしれない。マイクロの銅板ターンテーブルシートとセットで聴いたEW&Fの"ALL IN ALL"は忘れがたい衝撃で鼓膜も部屋の壁も吹き飛ぶ寸前だった(笑)

ところが1979年にFR-64Sというトーンアームを買い(結婚した年だったのでよく覚えている)、オルトフォンのMC-10という最廉価のMCカートリッジを付け、以後MMタイプは忘れていた。が、昨年春から使い始めているProjectのプレイヤーRPM9.1はオールカーボンの軽量トーンアームが付いていて、これがどうもMC型と相性がよろしくない。MCタイプが本来備えている"深くえぐるような"表現がとんと聴こえてこない。

それだったら最新のMMで行ってみようかと思った。オルトフォンの2M Blackというモデルが気になった。でも、72,000円という値付けが気に入らない。調べてみるとBlackとその下のモデルBronzeは同じボディとコイルアッセンブリーで、スタイラスチップが異なるだけなのだ。Blackが6/50μミリのシバタ針で、Bronzeは8/40μミリのファインライン。これはMC Kontrapunkt a/bと同仕様で、サーフェイスノイズが極小なのは経験済みだ。

写真で、8/40μミリのスタイラスプロポーションがお判りいただけるかどうか・・・
http://blog.goo.ne.jp/gencyo/e/ddd25642d32d5fc4ba83994822227d8e



2008/06/27
979

http://blog.goo.ne.jp/gencyo/e/58bc7399dfd03c02bcfc3c325bb704a9



2008/06/25
978 ちあきなおみのリアルヴォイスから・・・

マイクを持ったまま客席に降りてきたと思ったら、な、なんとわたくしの前で立ち止まった。思いのほか小柄でしかも美形ではないか。10年くらい前に西武劇場の客席で見た小川真由美に似ている(笑)
「今日は、お越し頂きありがとうございます。」なんてことを言いつつ、そこで唄い始めたのだ。わたくしから75cmの距離である。

1991年、高田馬場のグローブ座でのことだ。演目は「ソング・デイズ」戦後の焼け跡闇市を舞台にしたミュージカルで主演がちあきなおみなのだ。前年の「LADY DAY」は悔しいことにチケットが取れず、今回は満を持して最前列を確保した。

コロムビア時代のちあきなおみはそれほど好きな歌い手ではなかったが、85年にビクターから出たアルバム「港のみえる丘」、その3年後のテイチク盤「伝わりますか」で俄然ファンになってしまったのだ。

で、話をグローブ座に戻すと、PA装置があるとはいえ、目前だから地声が良く聴き取れる。PAよりわずかに先に到達する彼女の肉声だけに注視したのはいうまでもない。骨っぽく乾いた音だ。レコードで聴いている肉質感とは違う。しかし、驚いたのは音質的なバランスではなく、歌の巧さというか微細なコントロールの凄さ。尋常ではないと思った。これが聴き取れなくてなにがハイファイだ、とも思った。

当時のメインスピーカーはロジャースLS3/5Aで、クレルKSA50でドライブするその音に不満はなかった筈なのに、声の微細な襞の表情とリアルな実体感を求めたくなってしまう。翌年のパワーアンプの自作に始まり、メインスピーカーとプリアンプの研究、と怒濤のオーディオ街道まっしぐら・・・

あれから17年。
そろそろ機械いじりの幕引きをしたくなっている自分がいる。♪なーんちゃって。





2008/06/24
977 OLYMPUS E-500 "Deep & Vivid"

数日使った印象
・シャッター音が控えめで、かつ小気味よい。
・AE/AF/AWBはとくに問題なし。
・レリーズレスポンスはまあまあ。PENTAX < OLYMPUS < CANON
・色再現はのりが良くかつニュートラル。CANON < PENTAX < OLYMPUS
 ※ただしオレンジ〜イエロー系の描き分けが鈍い。
・暗部の粘りはかなり優秀。
 ※この写真ではJPEGデータから暗部の階調を拾い上げている。
・ファインダー像は小さくてもクリア。しかしボケないのでマニュアルフォーカスは無理。

3年ちかく前の製品だが、スナップ用途にはまったく問題ないと思う。
広角パンケーキレンズが待ち遠しい。