1897 稲毛 CANDY にて
 ブリジット・フォンテーヌとアートアンサンブル・オブ・シカゴのジョイント「ラジオのように」である。覇気があってエッジが立っている最高の楽隊を最大レベルで再現していると思う。ブリジットは想像より逞しく大柄に感じたが、微妙なニュアンスは損なわれていない。
前回の訪問から数年が経過している。JBLエベレストDD66000が導入された少し後と、その2年後にオーディオ業界の二人をお連れしたとき以来ということになる。年4回くらいは行きたいと思うが、帰宅まで2時間を費やさなければならない小旅行ゆえ、機会を伺うだけで時間が過ぎてしまった。
ここは毎週のようにヨーロッパ・アバンギャルド系を中心としたライブセッションが繰り広げられていて、オーナーの林さんの耳とセンスは磨き上げられているし、空間もそれらの白熱の響きを記憶しているのだろう。出てくるサウンドに機械を通した違和感がないのだ。1から10にクレッシェンドするナマ音がそのとおりリニアに再現されている。実はそこが難しいところで、どんなに精緻で低歪みであろうと、ある音量域を超えると頭がつかえてきたり飽和してしまうのが一般的なオーディオだ。
前回と異なるポイントは、スピーカーの周辺と部屋のコーナーに音響拡散装置「日東紡シルヴァン」が仕込まれていることだ。RC表裏打ちっ放しコンクリートにも関わらず、響きはデッド気味に変化したが、リニアな変化量を再現するために無くてはならない装置なのだと思う。楽音の色彩感を損なわないところは特筆すべき事実。いずれにせよ、関東圏では最強のJAZZ喫茶であることを再認識した一夜だった。 |