下のbackボタンで過去へ進みます。 幻聴日記第1期 INDEX はこちらから

photo and Text: machinist

044 フレームの存在 III ズームレンズの憂鬱
オートフォーカスも苦手だけど、ズームレンズはもっと手強い。10倍ズームなんて何を撮っていいのが分からなくなる。写真を撮るということは、4次元世界から時間の断面である一瞬の3次元世界を切り出し、同時にフレームをもって2次元世界に落とし込む作業だ。対象に対してどのようなフレームを適応させるかは、シャッターチャンスと同等の意味をもっている。まあ、僕の場合は両方を瞬時にこなす技量がないだけの話しであって、だから出かけるまえにその日の使用レンズを決めてしまう。自分の目をレンズの焦点距離に似せて相手を物色するんだ。でも使ってみたいズームレンズはある。低倍率の例えば20〜35mmとか、85〜135mmなんてのがあればフレームの微調整としてフィットしそうな気がしている。いずれにしても3倍以上のズーム比は自分の視点を定めるのに有害だと思っている。
(PENTAX*istD FA ZOOM 20-35mm F4AL)
2004/04/21



043 フレームの存在 II 彼岸の音(続編)
オーディオ再生のキャンバスは、われわれが呼吸する空気そのものだから、オリジナルと同じ次元で勝負をしなければならない難しさがある。対象の次元を減らすという表現上の武器はとりあえず使えない。
あるとき、対象のフレームに相当するものは「境界」であるとAUDIO DEJAVUの掲示板の論議で教えられた。このBBSに集う人たちの見識の高さに驚いた。これは立体作品でも同じかもしれないと後に思い至ったけれど、この、目に見えない境界は各人でさまざまな解釈をとれるのが興味深い。たとえば「日常と非日常」や「音と音の向こう側」であったり、「現在・過去」「自己と他者」という区切りもある。
オーディオの価値を、既にこの世にいない演奏家を呼び戻す仕掛けと思っている僕は、やはり「過去と現在」という越えられない壁にとらわれているのだろうか。
(PENTAX*istD smcA 50mm F1.4)
2004/04/20



042 フレームの存在 I 表現の次元
032・・・構造を見せたいだけなのに輪郭を隠すことができないジレンマから、二次元平面による表現に軸足を移した、という話のつづき。
立体物は、われわれの生きている時空間と同一のキャンバスに置かれるので「表現」としての困難さを内在していると思う。三次元の外枠をつくることは可能でも、それは二次元のフレームが意味するものとは異なる。たいていは人形ケースのように、それさえもオブジェ化されてしまう。その点、無限に広がる平面表現というものは現実的ではない。フレームという暗黙の了解が二次元のカタチを成立させていると言えるし、送り手の表現意図を明確にする「仕掛け」でもあるわけだ。
ふと、オーディオの「フレーム」はどこにあるのだろうと思った。
(PENTAX*istD SIGMA 18-50mm/f3.5-5.6DC)
2004/04/19



041 デジタルカメラ近未来図
ラチチュードの狭さは、写真表現という立場で考えると許せる気もする。でも、フィルムがCCDに換わっただけのデジカメって途中段階ではないかと思う。デジタル機器としてのインテリジェント性は著しくローレベルだ。AFもAEもフィルム時代から進化しているとは言えない。
近未来のデジカメは、人間の脳の情報収集の仕組みを取り入れるようになると思う。まず粗い情報を解析して、さらに必要な情報を取得する。このプロセスを繰り返すことで、求める精緻な情報にいたるわけだ。自然界の光の明暗も、事前情報をもとに複数回あるいは分割して取り込めば、銀鉛など遙かに及ばないダイナミックレンジを獲得できるのではないか。・・・某C社とか某N社は、とっくに着手しているんだろうなあ。しかし、そのあかつきには、写真で何を表現するかは難しい局面になっているだろう。制約の解釈はすなわち「表現」であると言えるから。
(Canon PowerShot A40) 一見キレイに見えるけど、もともとの階調はごく限られている。他の写真と較べるとデジカメっぽいよね。
2004/04/16






次ページTOPページ前ページ HOMEページ




↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。
しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。
このページのすべての要素は製作者であるmachinistに著作権があります。複製使用等はご遠慮ください。






Accepted IP

Kent Web様のCGIスクリプトを利用しています。- Topics Board -