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photo and Text: machinist

045 精緻の限界点
このページの写真は750×500ピクセル、トータル375,000個の画素で構成されている。ウエブの画像としてはけして小さくはないけれど、目に入る事象を精密に表現するためには大きなハードルだ。遠景の木々の葉やビルのタイルの目地を克明に再現することはもちろんできない。ただし画像情報というのは、解像度と階調の共同作業だから、階調の助けを借りれば最小ピクセルより細いラインを感じさせることができる。例えば「044」のアンテナを吊っている細いワイヤーの表現。目の識別能力が最小レベルの近傍、つまり感じるか感じないかの境目付近では、太さ(位置情報)より明度差に依存することが多いのではないだろうか。同じことはオーディオにもいえると思う。微小音量域では階調をとりわけ重視すべきなのに、なにかにつけ解像度でものごとが決まるというような考え方は残念だ。
(PENTAX*istD SIGMA 18-50mm/f3.5-5.6DC)
2004/04/22



044 フレームの存在 III ズームレンズの憂鬱
オートフォーカスも苦手だけど、ズームレンズはもっと手強い。10倍ズームなんて何を撮っていいのが分からなくなる。写真を撮るということは、4次元世界から時間の断面である一瞬の3次元世界を切り出し、同時にフレームをもって2次元世界に落とし込む作業だ。対象に対してどのようなフレームを適応させるかは、シャッターチャンスと同等の意味をもっている。まあ、僕の場合は両方を瞬時にこなす技量がないだけの話しであって、だから出かけるまえにその日の使用レンズを決めてしまう。自分の目をレンズの焦点距離に似せて相手を物色するんだ。でも使ってみたいズームレンズはある。低倍率の例えば20〜35mmとか、85〜135mmなんてのがあればフレームの微調整としてフィットしそうな気がしている。いずれにしても3倍以上のズーム比は自分の視点を定めるのに有害だと思っている。
(PENTAX*istD FA ZOOM 20-35mm F4AL)
2004/04/21



043 フレームの存在 II 彼岸の音(続編)
オーディオ再生のキャンバスは、われわれが呼吸する空気そのものだから、オリジナルと同じ次元で勝負をしなければならない難しさがある。対象の次元を減らすという表現上の武器はとりあえず使えない。
あるとき、対象のフレームに相当するものは「境界」であるとAUDIO DEJAVUの掲示板の論議で教えられた。このBBSに集う人たちの見識の高さに驚いた。これは立体作品でも同じかもしれないと後に思い至ったけれど、この、目に見えない境界は各人でさまざまな解釈をとれるのが興味深い。たとえば「日常と非日常」や「音と音の向こう側」であったり、「現在・過去」「自己と他者」という区切りもある。
オーディオの価値を、既にこの世にいない演奏家を呼び戻す仕掛けと思っている僕は、やはり「過去と現在」という越えられない壁にとらわれているのだろうか。
(PENTAX*istD smcA 50mm F1.4)
2004/04/20



042 フレームの存在 I 表現の次元
032・・・構造を見せたいだけなのに輪郭を隠すことができないジレンマから、二次元平面による表現に軸足を移した、という話のつづき。
立体物は、われわれの生きている時空間と同一のキャンバスに置かれるので「表現」としての困難さを内在していると思う。三次元の外枠をつくることは可能でも、それは二次元のフレームが意味するものとは異なる。たいていは人形ケースのように、それさえもオブジェ化されてしまう。その点、無限に広がる平面表現というものは現実的ではない。フレームという暗黙の了解が二次元のカタチを成立させていると言えるし、送り手の表現意図を明確にする「仕掛け」でもあるわけだ。
ふと、オーディオの「フレーム」はどこにあるのだろうと思った。
(PENTAX*istD SIGMA 18-50mm/f3.5-5.6DC)
2004/04/19






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↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。
しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。
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