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photo and Text: machinist

334 EF28mm F2.8 その1
解像度は程々だけど、光と陰の描き方がダイレクトでボディに重さを感じさせる。(EOS-1Ds2 EF28mm/f2.8 ISO400, f8, 1/800sec)

1Ds mark2に付けるとこんな感じ。けっこう粋ではないか思っている。これの良いところは*istDを入れているSamsoniteの小型バッグにレンズを付けたまま入るってこと。(PENTAX*istD FA35mm F2AL ISO200, f16, 0.7sec)
2005/04/05



333 エピローグは補正なし
昨年夏のシリーズと同じような内容で、目新しいテクニックもなかったけれど日常行っている最大限の補正作業を公開した。Photoshopはさまざまなダイアログボックスで似たような効果を得られるので、ここで説明した手法と異なる行き方も当然ある。ただし補正というプロセスは選択されたピクセルデータの数値変更であって、色調系の場合はフィルタリングでターゲットを選ぶわけだから、似たような処理を繰り返えすと目的以外の部分も浸食され結果的に劣化を伴うことになる。なにを言いたいかというと、目的を持って整合性のある順序でシンプルに一連の作業を行う必要があるということ。だから330で触れた順序は変えないほうがいいと思う。そしてUSMのあとに出来る作業は保存だけ、またJPEGで保存したデータを再加工しないことなども注意点だ。

前回までの作例4点に関しては通常よりややオーバーな操作をしたかもしれないと、反省している。ほとんど何もしないでリサイズとUSMだけという場合も多く、今日の写真はノートリミングで階調もカラーもデータのままだ。ただし、オリジナルトーンカーブをカメラ側に読み込ませている。用いたレンズは新たに加わった廉価版の単焦点。フルサイズデジタルでは四隅の流れは隠せないが、1670万画素からピクセル等倍で切り出した右の画像はいかがだろうか。(EOS-1Ds2 EF28mm/f2.8 ISO400, f5.6, 1/250sec)
2005/04/04



332 リサンプルとUSM
階調と色彩調整が決まったら、使用目的と最終サイズにあわせてリサンプル(リサイズ)をおこなう。リサンプルは元画像を新しい升目を用いて再演算をするので、各種補正において発生したトーンの不連続を補間する機能も持っている。プリント出力用のデータは機種により適正解像度が異なる。最近の製品ではEPSONは360dpi、CANONは300dpiがノズル数との整合性がいいらしい。ウエブ用途ではブラウザが解像度を反映しないのでピクセル数のみでサイズが決定される。

リサンプル方式はバイキュービック法を選択するが、付帯「シャープに」は仕上がりのエッジがきつくなるので避けている。事前に傾き修正が必要であれば「ものさしツール」で水平にしたいラインをドラッグして「キャンバスの回転」から角度入力を選ぶ。すると自動的に適正回転角度が表示される。切り抜きツールの回転は昔から精度が悪いので使わない。傾き修正後の画像に切り抜きを行う場合は、トリミングツールを垂直水平に保ったまま実行する。

最後はUSM(アンシャープマスク)だ。これは別に必要悪でもなんでもなく、画素の再演算で発生する滲みを整理整頓するプロセスと解釈している。ガイド本の一番の問題は具体的な記述がもの足りないことで、とくにUSMのパラメータの解説は数値幅がありすぎて実用的ではない。スクリーン表示(ウエッブ用)はピクセル等倍で見ることを念頭におき、なおかつ不自然な輪郭強調を排すると、適応半径は0.2あるいは0.3で十分である。0.5以上は元画像自体がぼけている場合の救済措置と思っていい。ちなみに印刷用途では0.7-1.3くらいに設定することが多く、これは網点形成との関係から決定している。高精細インクジェットプリンタの360dpiデータで半径0.8くらいか。USM適応量は半径0.3で70-120、半径0.2の場合は120-300くらいか。しきい値は半径0.2で0から4程度であるが、半径が大きくなるほど適応量は小さくなり、逆にしきい値は上げることが多い。また、元画像のコントラストが比較的強く、大きめの半径で強めに処理しなければならない場合は、RGBモードから一時的にLabモードに変換して輝度(Lch)のみにUSMを適応すれば、明暗境界の色のばらつきを抑えた自然なシャープネスを得ることができる。

USMのパラメータは仕上がりサイズで左右される。この幻聴日記も第2期になって最大サイズを900/600pxに拡大したところ、適応半径を小さくせざるを得なくなった。出来れば0.15が欲しいところだ。一方150/100px程度の小サイズ写真では、0.6くらいでも不自然にならない場合もある。

以上の作業はすべて16bitのキャンバス上で行い、スクリーン表示(ウエッブ用)はこのまま「WEB用に保存」コマンドでセーブする。幻聴日記2では画質パラメータを75前後に設定することが多い。仕上がりサイズを大きくすると、より高画質を要求されるようになるのが不思議だ。(PENTAX*istD FA35mm F2AL ISO400, f8, 1/250sec)
2005/04/01



331 カラーバランス
「記憶色」の内実が固定観念からくる思いこみというケースも多々あるので、この言葉はむずかしい。出したかった色とカメラが記録した色がまったく同じというケースは少ないから、積極的とは言えないまでも調整することに躊躇はない。ただしベーシックな色調は撮影時のホワイト・グレーバランスで解決すべきで、Photoshop上では微調整で済ませるのが好ましいと思う。色調はいっさい調整しない場合も多い。

Photoshopのカラー調整は「カラーバランス」「色相・彩度」「特定色域の選択」の3つのダイアログボックスがメインであるが「RGB別トーンカーブ調整」も熟練すれば最大の武器になる。しかしぼく自身は色別トーンカーブをいじる勇気もスキルもない。「カラーバランス」は3段階の濃度域で全体的な色味を変化させるが「輝度を保護する」のチェックを忘れないように。
「色相・彩度」ではマスター(合成チャンネル)の色相変更は写真のような自然画では調整が難しいので使わない。ただし特定色の「スポイトツール」で画像上のターゲットをクリックすれば他の色に影響を及ぼさないで修正することが可能だ。

右は個人的によく使う「特定色域の選択」のなかの中間色系。疑似ホワイトバランス調整のツールになりえる。このショットは夕日色を記録したつもりだったが、まだ足りなかったので「特定色域の選択」で補正した。この最終画像は他にトーンカーブ補正も併用して路面のボディ感を失わないようにした。(PENTAX*istD FA35mm F2AL ISO800, f8, 1/250sec)
2005/04/01






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↑フルカラー(RGB各8bit)の精密グレースケールの両端を表示しています。すべてを正確に画き分けるモニターは存在しないと思います。
しかしながら「14」や「242」が識別できない場合はモニターレベルで顕著な黒潰れや白飛びが発生しています。ガンマユーティリティなどを使ってモニター調整することをお奨めします。
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