写真中:低音ホーン開口部からユニット面を見る。元の方に塗装が無いのは、手が届かなかったから(笑)。
写真下:ウーファーボックス内部 この頃はインピーダンス補正回路をユニット端子間近で動作させていた。現在はLを含めすべて無くなっています。吸音材は両サイドにほんの少しだけ。
現在使用中のスピーカケーブルはウーファー用はオルトフォンのSPK-300。ドライバ用が古川のふるーいキャブタイプ。音にキャクタが乗りにくいので未だにこれを使っています。ケーブルにメーター2000円以上は払わないのが当方のポリシーです。



スピーカシステムは1996年に製作したオールホーン型で、仮想同軸構造になっています。ウーファーの空気室が大きいためホーンロードはあまり掛かっておらず、あえて言えばホーン形状のリフレクターで、エネルギーを聴取位置に集める効果と、部屋の定在波低減を狙っているわけです。
一般的にホーンを用いたマルチウエイシステムは音源が離れてしまい、近距離で聴けないデメリットがありますが、このシステムの場合かなり近づいても、全帯域が511ホーンの一点から聴こえる印象で、家庭のアルテックでありがちな茫洋とした印象はありません。ニアフィールドでのフルパワーによる聴取では、音塊の来襲に身をまかせる異次元体験。また断面図のようにウーファーバッフルの堅牢さと42ミリ厚のエンクロージャーが、微少音量領域のリニアリティに貢献しているようで、深夜の小音量リスニングでも音楽が痩せることはありません。
このシステムの開発経緯は、雑誌MJのマイ・リスニングルームに書かせていただきましたので併せてご覧頂ければと思います。(全文掲載→)
ネットワークはオーソドックスな-12dB/oct対称型から始めて、数多くのバリエーションを試した結果、ウーファースルーで高域のみ-12dB/octという変則形式に落ち着いています。なお、高域端は高低ユニットの能率差を利用したパッシブ型のハイブースト・イコライジングを施しています。
スペック的に記述すると、
周波数特性50-15KHz
最大音圧116dB(40W/1m)というところです。



ドライバ用ハイパスフィルタ。右の円筒形コンデンサが高域端のブースト用。米国ジェンセン社製銅箔オイルで耐圧1KV!ちなみに左側はウエスタン社製オイルペーパーで、右奥はサンガモ社製オイルコンデンサです。ジョイントは半田箇所以外はステンレスのボルトナットで締め付けています。ここに金メッキラグ板などを用いると、耳障りなキャラクターが乗ります。しかし、きたないバラックセットだなあ(笑)

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